2018年10月19日…映画『魔法少女リリカルなのは Detonation』が公開しました!
2017年に公開された『魔法少女リリカルなのは』の劇場版第3作目(完全新作)である『魔法少女リリカルなのは Reflection』の続編で、二部作の完結編となります。
シリーズ開始から14年という年月。
その集大成(?)ともいうべき本作品は、数多もの号泣ポイント、そして生き方について考えさせられる一コマもある、まさしく傑作でした。
公開初日のスタッフトークショー付きの映画鑑賞をしてきたので、早速感想を綴りたいと思います。
※あらすじ・ネタバレありますのでご注意ください
少女たちの戦いの続き
物語は前作の続きから。
ユーリ、イリスと対峙する高町なのは、フェイト・T・ハラオウン、八神はやて。
ユーリの強大な力に、時空管理局魔導士たちが次々に倒されていくなかで、なのはは全力で立ち向かいます。
苦戦するものの、なんとかユーリを上回り、ユーリの心も元に戻ります。
高町なのは、フェイト・T・ハラオウン、八神はやての他、ディアーチェ、シュテル、レヴィの前で夜天の書(闇の書)からあるページを差し出そうとするユーリ。
しかし、その瞬間ユーリが何者かに刺されます……その正体は、イリス。
ユーリと共に、その場から消えるイリス。
イリスの真の目的…それは惑星エルトリアで起こった惨劇から芽生えたものでした。
イリスとユーリの過去
ユーリに対して復讐心を露わにしているイリス。
その一方で、傷ついた高町なのは、フェイト・T・ハラオウン、八神はやてはそれぞれ傷を癒していますが、その魔導局の中にはディアーチェ、シュテル、レヴィの姿も。
先の戦闘時に、ユーリが渡そうとした闇の書のページの破片から映像データが復元されます。
そのデータを鑑賞する一同。
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そこに移るのはイリスの姿が……約40年前のエルトリアの研究所の様子とのこと。
惑星再生委員会ではフィル・マクスウェル所長をはじめとした研究員が、政府からの援助が少なく資金難で苦しんでいたもののエルトリアの再生のために研究を続けていました。
イリスは“IRS07″と呼ばれるシステムユニットで、マクスウェル所長により開発・生み出されたものでした。
しかし、人間と同じように(実の娘のように)育てられたイリスは、所長と同じ夢を持ちながら研究所を手伝います。
イリスが洞窟を調査しているときに見つけたのが、眠っている少女…それがユーリでした。
言葉の通じない二人…しかし、ユーリが手にしていた夜天の書のページを触れると、話せるように。
ユーリは自らが魔法を使えることを伝え、実際に見せます。
その魔法はなんと植物や生物の再生、まさしくエルトリアに必要な力でした。
イリスはその力に希望を抱くと共に、ユーリもまた研究所での手伝いを受け入れ…そして二人の友情は深いものへ。
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そこで映像は途切れてしまうのですが、次に再生された場面はまさしく惨劇。
ユーリの暴走により、惑星再生委員会の研究員が惨殺され、そしてイリスもまた磔のような形に…..
ここまでの映像から、イリスはユーリへの深い恨み(父親のように慕っていたマクスウェル所長も家族の様な研究所も全てやられましたし…)があることが判明します。
これを見た、なのは達…そしてディアーチェ、シュテル、レヴィもまたイリスとユーリを止めるために共闘します。
戦い、そして真の敵
イリスは、無機質から兵器や武器を作れる能力から、イリスコピーともいえる先頭集団を編隊し戦いに備えていました。
そして、ユーリもまたイリスに制御され、意志とは反対に強制的に戦闘へ…
イリスを追いコピーイリスらと対峙するなのは達、そしてユーリを追うのはてディアーチェ、シュテル、レヴィ。
ユーリを見つけた3人は戦いの中で、懐かしくも暖かな…ユーリとの記憶を手繰りせます。
3人の正体…それは昔エルトリアにてユーリに助けられた猫たちでした。
彼女たちが復活した際、夜天の書に入っていたなのは達のデータから似た姿になっているものの封印前は違ったようです。
その記憶からユーリを助けたい一心で全力で戦う3人。
激しい戦いの後、その想いも通じユーリを止めることができた……のも束の間、何者かにより強襲を受け、手も足も出ずにやられてしまいます。
そしてユーリも連れ去ったその男は、フィル・マクスウェル所長。
大切なものを守るため…号泣不可避の戦闘
全てはフィル・マクスウェル所長が仕組んだことでした。
イリスがユーリに復讐心を持つきっかけとなった研究所の惨劇…..それを起こしたのもマクスウェル所長。
イリスに辿り着いたキリエも、イリスにあの惨劇の真実を伝えます。
キリエを利用としていたイリスもまた、マクスウェルのウソに踊らされていた事実。
全てが事実が公になり、マクスウェルは牙をむきます。
マクスウェル自身の強大な力、そしてマクスウェルにより感情を抑えられ戦闘態勢となったユーリとイリス。
再び戦いの幕が上がる中、管理局により治療を受けている瀕死のディアーチェ、シュテル、レヴィ。
マクスウェルにやられたこと、そして魔力がほぼない中、シュテル、レヴィは一つの決断を…それはディアーチェ(王様)に自らの魔力を渡すこと。
「魔力がなくなれば元の姿に戻ってしまう」と警告するディアーチェ。
3人が人型の姿になれたのは、猫ではなく「伝えられる言葉、助けることのできる力」を望んだ結果。
折角手に入ったその姿ですが、大切なものを守るための覚悟がそこにはありました。
- マクスウェル vs なのは & アミティエ
- イリス vs キリエ
- ユーリ vs ディアーチェ
それぞれの想いが全力でぶつかる戦い。
ディアーチェは、ユーリを止めるため、3人分の力の魔力を全てぶつける(ディアーチェ自身もまた猫の姿に戻ってしまう)手に。
操られているユーリの苦しさ、そして自らを失ってでも止めたいディアーチェの想い...その交錯が伝わるとき、もう観ているこちらの涙が止まらないのです。
対峙するイリスとキリエ….前はイリスの前に何もできない弱いキリエでしたが、逆の構図に。
心がぼろぼろのイリス、そして救う覚悟を決めた強いキリエ。
自らの過ちとキリエへの罪悪感、そして愛情が入り交って涙が止まらないイリスの姿はとてつもなく寂しいものが…。
満足な生き方と寂しい人間、生き方を考えさせられる結末
そして、芯の黒幕であるマクスウェルと戦う、なのは & アミティエ。
その力は凄まじく、力の強さやスピードは二人をはるかに凌いでいました。
しかし、そこで覚醒するなのは…アミティエから授かった力と元来の魔法を組み合わせ、マクスウェルと戦います。
それでも迎えてしまうピンチ…..そこに駆けつけるフェイト。
これこそが魔法少女リリカルなのは
さまざまな力の結集でマクスウェルを倒し、四肢が飛び、機械の体が露出しているマクスウェル。
ここで不敵な話を始める彼ですが、なんと地球の人工衛星に細工を施しており、東京付近を照準を合わせていたのです。
マクスウェルは「自分とユーリとイリスをここから脱出させれば見逃す」と取引を持ち掛けます….。
しかし、もちろんそんなことを受け入れられるはずもなく、なのはは宇宙でマクスウェルの下部と戦闘をはじめ倒すものの、敵の自爆により血だらけ瀕死の状態に。
「地球を守れたなら満足」と意識が飛ぶなのは。
精神世界(あの世?)で、少女時代の自分と出逢い、話します。少女なのはは「満足というのは自分自身が好きなのではなく、誰かを助ける自分が好きだという寂しい存在」という旨を伝えます。
それに対し、「それでも大切な人に囲まれて幸せな日々だ」と答えるなのは。
“自分を好きでいてれる人”について話をした後で、少女なのはに体を押されたところで、目を覚ますなのは。
そこには、フェイトとはやての姿が……「遅くなってごめん、助けに来たよ」と。
アニメの中だけではない現実世界でもありえる「誰かを助ける」という行為。
そして、それ自身が自己犠牲を含んでいること…そして助けた側は幸せと感じているかもしれないが、その満足さは果たして幸せな生き方なのか。
ふと考えさせられるやりとりでした。
これぞ『リリカルなのは』、そしてスタッフの想い
物語のエピローグ…マクスウェルに騙されていたとはいえ、甚大な被害をもたらしたイリス以外は、事情聴取などを済ましたのち惑星エルトリアへ戻れることに。
そして猫の姿になっていた、ディアーチェ、シュテル、レヴィも(子どもの姿ではありますが)人型の姿で力を取り戻します。
エルトリアへ戻ろうとするその日、なのは達は見送りに…そしてその場にはイリスの姿も。
キリエとユーリへ謝罪をし、帰ってきた言葉は「エルトリアへ戻ってきたらまたみんなで」という旨。
最後にはみんなでエルトリアでの幸せな生活を過ごす様子も描かれました。
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新作劇場版の二部作の完結編である本作……
これぞまさしく『魔法少女リリカルなのは』と再認識させられました。
熱い戦闘、友情、そして想いを貫く少女たちのハッピーエンド。
一つ一つの展開に想いを込める瞬間・感動的な要素(一言では表すことのできない各キャラクターの背景が理解できるからこそ)が。
魔法少女リリカルなのはシリーズが始まって14年。
スタッフトークショーでは、シリーズ最初から携わっている、三嶋統括プロデューサーも登壇。
「14年間の想いのせいか、開始5分で涙がでてきた」なんて話をしていましたが、本作はまさしく魔法少女リリカルなのはの集大成ともいえるテーマや感動が盛り込まれていたと感じています。
14年目にして進化を遂げ続ける魔法少女リリカルなのは最新作は、シリーズ屈指の傑作ではないでしょうか。。