2018年6月28日から池袋サンシャイン水族館の企画展として催されている『化ケモノ展』
木の枝や葉など自然界のものに化けて(=擬態)いる生き物たちを観ることのできる企画です。
“化け物”ならぬ“化ケモノ(ばけもの)”
生き物たちが、生き残るための戦略として見せる姿はまさしく神秘そのもの。
今回は、化ケモノ展に展示されている生き物たちをレビューし、感想をお届けします!
化ケモノ展概要(擬態ランク)
化ケモノ展は、池袋サンシャイン水族館の企画展として2018年6月28日~11月25日まで催されています。
会場ではいくつかのゾーンに分かれており、
- 擬態解説
- 惑わしの森
- 騙しの海
- 番外編
の、それぞれに化ケモノたちが展示されています。
化ケモノたちは、その擬態のレベルに応じて、
擬態ランク 神 ★★★★★ よく見てもわからない 達人 ★★★★☆ よく見ないとわからない 名人 ★★★☆☆ 近づくとわかる プロ ★★☆☆☆ 似ている アマチュア ★☆☆☆☆ 似せようとしている 出典:化ケモノ展
のランクがレベル表示されています。
それでは早速、各ゾーンごとに擬態している生き物たちをレビューします!
擬態解説
最初は、擬態解説。
擬態とはいっても、
- ペッカム型:景色に溶け込んで姿を隠し、獲物が近づいたら捕らえる擬態
- ベイツ型:毒があるように見せかけて、天敵を近づかせない擬態
- 隠蔽型:周囲に溶け込んで、天敵から身を隠す擬態
というように様々な種類があり、特徴となる生き物と解説がされています。
ペッカム型擬態:イロカエルアンコウ
化ケモノ展で真っ先に会うのが『イロカエルアンコウ』
岩に擬態しており、獲物が近づいたら捕食します。
岩に擬態とはいっても水槽の中だと結構分かりやすい!?
ペッカム型擬態:マルムネカレハカマキリ
マルムネカレハカマキリは枯れ葉に擬態し身を潜め、餌が近づいたら捕食するカマキリ。
テレビで見たときは分かりにくかった気がしますが、企画展は運よく(!?)見つけやすい環境でしょうか。
ベイツ型擬態:ノコギリハギ
フグ!!ではなく、ノコギリハギというハギの一種です。
毒を持っているシマキンチャクフグとそっくりな姿をしており、有毒と思わせて天敵から襲われないようにしています。
たしかにフグのような風貌です。
ベイツ型擬態:クビアカスカシバ
『ガ』の仲間である、クビアカスカシバ。
有毒のハチに擬態することで自らを守っています。
近くで見たら差は歴然ですが、遠くから見たら確かにハチに見えますね…。
隠蔽型擬態:スペングラーヤマガメ
森林に生息する、 スペングラーヤマガメ。
まるで落ち葉の様な風貌で擬態し、姿を隠します。
最初は一瞬本当にどこにいるかわからなかったです。
隠蔽型擬態:コノハムシ
熱帯雨林に生息し、木の葉に擬態するコノハムシ。
写真ではどれがコノハムシか少々分かりやすいですが、この葉っぱのような質感はすごいですね。
生命の不思議さを感じます。
森林の中だったら本当に紛れていますね…!!
隠蔽型擬態:アフリカオオコノハズク
天敵から身を守るときには、体を細くして木の枝にカモフラージュするというアフリカオオコノハズク。
快適な環境なのか、普通にかわいい一枚が撮れてしまいました(笑)
惑わしの森
ホンモノの森を模したエリアで、巧みに擬態している化ケモノたちが潜んでいます。
ペッカム型/隠蔽型擬態:チャカ・チャカ
ナマズの仲間である、チャカ・チャカ。
なんと流木に擬態するとのこと。
……写真では分かりにくいですが、より砂の深い水底だとかなりのレベル…??
ペッカム型擬態:ハナカマキリ
ピンク色や白色といった淡いカラーリングの体が特徴的なハナカマキリ。
擬態するのは、名前の通り『花』
ぱっと見ではどこにいるか分からない擬態は、見事です。
ペッカム型/隠蔽型擬態:ミツヅノコノハガエル
これは本当にわからなかった!!(笑)
体の形や全身の色で枯れ葉に擬態する、ミツヅノコノハガエル。
写真だとわかりますかね…??
展示では個人的に高難易度だった生き物の一種です。
隠蔽型擬態:ファロウェラの仲間/ロリカリアの仲間
どちらのナマズの仲間である、ファロウェラとロリカリア。
流木に擬態をして、身を隠します。
おそらく写真だと一匹はすぐに気づくかと思いまずが、実は他にも何匹かいました。
(一匹だけ見つけ、「あれ?説明2種いるよな」と疑問にもつまで通り過ぎようとしてました…)
ペッカム型擬態:リーフフィッシュ
枯れ葉に擬態するリーフフィッシュ。
その形と色合いはまさしく枯れ葉そのもの…漂う落ち葉かと思い近づいてきた小魚などを一気に捕食します。
説明文を読んでいるのでサカナだとわかりますが、リアルで見ても落ち葉感が半端ないです。
海の中で、本物の落ち葉が漂っている中でリーフフィッシュがいたら絶対に気づかないきがしてなりません…。
隠蔽型擬態:ヘラオヤモリ
マダガスカルに住む、ヘラオヤモリ。
木々に擬態し、身を潜めます。
写真だとどれがヘラオヤモリか分かりやすいですが、リアルだと一番探しました。
体面の質感がまさしく樹皮……みごとに木と同化し、身を潜めていました。
騙しの海
先ほどの森とは打って変わって、次は海のゾーン。
海で擬態する化ケモノたちがたくさんいます。
ペッカム型擬態:ハシナガウバウオ
5cmほどの小さな魚であるハシナガウバウオ。
ぱっと見、「どこが擬態?」と思うかもしれません。
なんとハシナガウバウオは、身の危険を感じるとウニの棘の間に隠れるんです。
小さいものの生き残る術という感じがしますね。
ペッカム型/隠蔽型擬態:ヒラメ
おなじみの魚であるヒラメ。
砂地に生息しているヒラメは背景色に合わせて、体の色を変化させて擬態します。
まさしく砂一面に紛れて一目だとわかりにくいレベルですね。
隠蔽型擬態:ナンヨウツバメウオ
まるで葉っぱのような魚のナンヨウツバメウオ。
その見た目の通り枯れ葉に擬態しているのですが、なんと葉の虫食い穴のような模様まで再現されています。
どうやったらこのように再現できるのか…自然界とは不思議ですね。
隠蔽型擬態:モクズショイ
カニの一種である、モクズショイ。
体の毛がカギ状に曲がっており海藻などを体に付着させ、周囲の風景の溶け込みます。
海藻生い茂る海だと、モクズショイも少々動いただけでは気づかれにくそうですね。
ペッカム型擬態:タッセルドアングラーフィッシュ
オーストラリアにのみ生息する固有種であるタッセルドアングラーフィッシュ。
海藻に擬態し、身を隠します。
ずっと岩陰に隠れて本体の写真を撮ることができませんでした…ある意味隠蔽成功ですね。
ペッカム型擬態:オニダルマオコゼ
有名な魚の一種である、オニダルマオコゼ。
岩に擬態し、獲物が近づいたらパクっといっちゃいます。
写真では分かりやすいですが、表面の凸凹やざらざらの質感、また不動の感じはまさしく岩そのものです。
獲物にしたらたまったものではありません。
ベイツ型擬態:イヌザメの幼魚
サメの一種である、イヌザメ。
子供のころは、ウミヘビの仲間に擬態するよう縞模様が特徴的です。
温厚な性格とはいえ、サメも子供のころは擬態しなければいけないとは驚きです。
ベイツ型擬態:シマウミヘビ
ウミヘビ!!ではなく、シマウミヘビはウナギの仲間(名前ややこしい)
毒のあるウミヘビに擬態しています。
海で泳いでいたら、見分けがつきませんね…。
ベイツ型擬態:シモフリタナバタウオ
サンゴに身を潜むことが多い、シモフリタナバタウオ。
擬態してるのはハナビラウツボ…天敵が近づくと顔を岩に隠し、後ろの目玉模様などで擬態します。
他の化ケモノに比べると少々修行が足りない…??
ベイツ型擬態:アカククリの幼魚
有毒生物に擬態する、アカククリの幼魚。
ヒラムシの仲間に擬態します。
擬態ランクでもアマチュアというレベルで、ヒラムシと見比べてもバレやすそうです。
ベイツ型擬態:ツユベラの幼魚
ウミウシの仲間に擬態するツユベラの幼魚。
擬態というよりは、普通にきれいな魚ですよね(笑)
番外編
擬態という枠を超えた、生物での変化を展示するゾーンです。
メスからオスへと化ける:スミレナガハナダイ/クギベラ
なんと子孫繁栄の戦略のために、メスからオスへと変化する種類がいます。
写真で分かりやすいのは、スミレナガハナダイ。
赤く鮮やかな色合いをしているのがオス、淡いオレンジ調なのがメスです。
色の変化だけとらえるとそうでもないように感じますが、性別まで変わるというのはなかなか想像が難しいレベルのすごさです。
子どもの時だけ化ける:タテジマキンチャクダイ/クロスズメダイ
一部の魚では成魚になるとなわばり争いをします。同種であってもそこに侵入するものは追い出すのですが、幼魚時はそれを避けるため、幼魚時に大きく模様を変えます。
中でも、黒っぽい模様のタテジマキンチャクダイは成魚になると、縦じまで黄色調のうつくしい姿に変化します。
ニセモノで化かす:ウミヅキチョウチョウウオ
体後ろにある大きな斑点模様が特徴的なウミヅキチョウチョウウオ。
この斑点模様が大きな目玉に見え、状況によっては大型生物と間違えられることがあるそう。
ニセモノとはいえ、自分を大きく見せて身を守るのは人間界でもよくありそうな…。
進化による擬態…?:ヨツユビハリネズミ
モグラの仲間である、ヨツユビハリネズミ。
日中は丸まって寝ていることが多く、背中の針も合わせた姿はまるでタワシ…??
と、展示ではありましたが、そんなことはなくスヤスヤと可愛い一枚を撮ることができました(笑)
リアルの擬態がすごい
『擬態』はテレビなどの特集で見たことある人も多いかと思います。
しかし、それがあってでもリアルでみた擬態の感動がすごいです。
「このクオリティだったら天敵に気づかれないだろうな…」「よく自然にここまで化けることできるよな…」と、間近で生命の神秘を感じずにはいられません。
池袋にあるサンシャイン水族館で、入場料600円!まったく損をしない感動を感じられます!
ぜひ、ステキな“化ケモノ”たちをご覧になってはいかがでしょうか。
サンシャイン水族館の真横にはプラネタリウムもあるのでデートにもオススメです!